FXの口座タイプを分類してみた②(ECN方式とSTP方式)
海外FX業者の多くはECNとSTPの両方を取り扱っていて、口座開設の際、どちらを選択するか迫られます。大抵はECN口座とSTP口座、複数の口座を持つこともできますが、それらの特徴を知らないといざどちらで運用したらいいのか?困りますよね?
結論を先に言うと、裁量メインならSTP方式、MT4自動売買メインならECN口座がオススメなのですが・・・理由も含めてまとめてみたいと思いますので、是非、最後までお読みくださいね。^^;
ECN方式とは?
ECNとは「Electronic Communications Network」の頭文字で、インターネット上にある電子取引市場を指します。ECNでの取引は、トレーダーからの注文が、ブローカー(取引所)を経由せず、 直接インターバンク市場に流されて、そこに参加しているトレーダーの注文とマッチングされて売買が成立するというものです。また、この方式は株式の取引と同じ方法で、板情報や気配値なども明確にされていて、非常に中立的な透明性の高い取引と言われています。
※但し、MT4では板情報を見ることはできませんのでご注意下さい。cTraderというプラットフォーム(口座)では見ることができますので、気になる方はcTraderのご利用をご検討ください。
ECN方式のメリット
ECN方式の口座は極めてスプレッドが狭く、FX業者が一切介入しないのでスプレッドに手数料が上乗せされることはありません。スプレッドは最小で0.0pipsです。では、FX業者の儲けは?というと、ECN方式では、別途取引手数料という形で費用がかかります。取引手数料はそれぞれの業者が決めていますので様々です。往復1ロット(10万通貨)あたり3~10ドル程度と少し幅があります。
実はトレードコストは安い
ECN方式の場合はスプレッドの代わりに手数料がかかります。例えば、公表されている値として人気ブローカーの一つTitan FXのスプレッドを見てみましょう。
Titan FXのブレード口座(ECN口座)の1ロット(10万通貨)の手数料は往復で600円(片道300円)となっています。ドル円レードを1ドル110円とすると600円=5.45ドル。EURUSDでは0.545 pips に相当します。つまり取引コストは0.2+0.545 pips=0.745 pipsなのです!
これに対して、スタンダード口座(STP方式)のEUUSDのスプレッドは1.2 pipsとのことなので、ブレ―ド口座との差0.455 pips。これを大きいと考えるのか大したことはないと考えるのは人それぞれですが・・・。
取引回数が増えれば増えるほど、また取引ロット数が大きくなればなるほど、トレードコストの差を感じられるかと思いますので、スキャルピングなどトレード回数が多い方は、ECN方式の口座を使った方がコスト的に有利です。
ECN方式のデメリット
STP方式に比べるとプロ仕様の口座になっているために入金額が高く設定されていたり、レバレッジが低く設定されていたりします。Traders TrustにはVIP口座というのがあり、1ロット(10万通貨)の手数料はなんと往復で3ドル!
しかし、口座残高2,000,000円以上とちょっと敷居は高めです。また最大レバレッジも200倍と低めに設定されています。200倍あれば十分なんですけどね。^^;
STP方式とは?
STPとは「Straight Through Processing」の頭文字で、STP取引では、FX業者はトレーダーが発注した注文をカバー先(リクイディティプロバイダー)からマッチングします。
リクイディティープロバイダー(LP)とは、FX業者に為替レートを提示する金融機関のことで、バンクオブアメリカ、シティ、ドレスナー、ゴールドマン・サックス、J.P.モルガン、モルガン・チェース、ノムラ、UBS、BNPパリバ、バークレー、ドイチェ・バンク、コメルツ銀などグローバルにビジネス展開する銀行などを指します。
STP方式のメリット
FX業者は提携している複数のカバー先が出すレートを元にして、顧客へレートを提示します。カバー先は多い方がマッチングの可能性も多いので顧客にとっては有利です。STP方式では、流動性を確保するため、上記のような大手金融機関をカバー先としているため、マッチングしないということはほとんどありません。そのため、月曜の朝や金曜の夜中などの流動性が低い相場でも、ECN方式に比べると約定率が高い傾向にあります。
STP方式のデメリット
STP方式では、スプレッド内にFX業者の手数料が含まれるため、どうしてもスプレッドが広くなります。取引コストの面からはECN方式に分があります。
裁量メインならSTP方式、自動売買メインならECN口座がオススメ
STP口座は手数料がスプレッドに含まれるため、裁量トレードの際、利益が出ているのかどうかが一目瞭然です。また、経済指標時のトレードは、DD方式は論外で、NDD方式の業者で実施しべきです。また約定率の高いSTP方式が良いかと思います。
一方、EAによる自動売買、特にスキャルピングEAなどは、スプレッドが狭いほうが顕著に成績は良く、ECN口座のスプレッドでないと使いものにならないものも多いです。スイングEAなどでは、あまりスプレッドは影響しないとは言いますが、チリも積もればで、トータルの収益が変わってきます。つまり自動売買は取引コストが安い環境が断然有利です。また、自動売買EAはVPSで24時間稼働させっぱなしであることがほとんどなので、板情報を見てトレードすることは少ないかと思います。そういった意味でMT4で自動売買するならオススメはECN口座です。
最後に、
海外FX業者はNDD方式だから安心、、、、とは書きましたが、介入できる余地がまだあります。今回は詳しくは述べませんが、STP方式の口座にそういうものがあります。ただ、上述のように、STP方式にはSTP方式のメリットもあるので、ご自身の資金量やトレードスタイルに合せてご選択くださいね。