鬼より怖い追証
いろんなサイトを見ていると、『海外FX会社は危険だから国内業者を利用しよう!』と謳っているサイトがありますが・・・。実際はどうなのでしょうか?
鬼より怖い追証
「追証」=「おいしょう」と読みます。「追加証拠金」を略した言葉ですね。
証拠金取引や株の信用取引において、 保有するポジションが含み損を抱え、その結果必要証拠金が不足した場合、必要証拠金額を回復させるために証拠金の追加を求められ、トレーダーは指定された期日までに追加証拠金の入金を迫られるわけです。これが追証です。
含み損の発生が急激で金額も大きい場合、必要証拠金額がゼロを通り越してマイナスとなる恐ろしいパターンがあります。そうすると、追証が借金となって追いかけてくるのです・・・。
強制ロスカットがあるから大丈夫!?
このような事態を避けるために、口座の証拠金が必要証拠金額を一定レベル下回ると、強制的に全ポジションを強制的に決済してしまう「強制ロスカット」といシステムがあります。
「セイフティーネットがあるなら大丈夫じゃん!」
とお思いかもしれませんが、実際はそうはいかんのです。
強制ロスカットのシステムは、何もない時には問題なく機能するわけですが、非常に脆弱なシステムであるため、市場に大きな波乱が生じた際に機能しません。。。 近年だと、東日本大震災、スイスフランショック、ギリシャショック、イギリスのブレグジットなどの際に多額の追証が発生しているのです。
更に平常時でも、月曜日の早朝時や米雇用統計など主要経済指標発表時などには、値跳びが発生し、思わぬ価格で約定したり、ロスカットが正常に働かなかったりする危険性もあります。
消費者保護は建前!?
国内FXの個人口座での取引は、レバレッジ25倍までと規制されているわけですが、例えばレバレッジ500倍の海外ブローカと比較すると、証拠金が実に200倍必要になります。
例えば、ドル円のレートを1ドル100円とすると、10万円の資金(証拠金)で1万通貨取引するのに、
国内では必要証拠金40,000円 ⇒ 余剰証拠金60,000円、証拠金維持率250%
海外では必要証拠金2,000円 ⇒ 余剰証拠金98,000円、証拠金維持率5,000%
強制ロスカットされるレベルは概ね証拠金維持率20~100%を下回った場合で、証券会社によって異なりますが、余剰証拠金が少ない国内業者の方がロスカットに遭遇する確率が大きいことは一目瞭然です。
『強制ロスカットに遭遇しやすく、万が一には鬼より怖い追証が追っかけてくる。』
誰しも思っていることでしょうが、消費者保護というのは建前ですね。
国が守りたいのは○○なのです。
その点、海外FXではゼロカットシステムというものが存在ます。国内/海外FX会社では、根本的にビジネスモデルが違います。この点に関しては次回の記事で。